http://wired.jp/2012/05/31/olympus-scandal/
解任 (ハヤカワ・ノンフィクション)
インタビュー記事。
ウッドフォードさんはオリンパス内の黒い秘密を暴いたわけですが、
こうした一連の行動は、社長だったからできたとお考えになることはありますか?
...
答えはYESです。外国籍をもち、社長であったことは、わたしの行動を
やりやすくはしてくれたと思います。
中間管理職でしたら、このようには振る舞えなかったでしょう。
立場ってのはやっぱり重要ではあると思う。
組織の方針はトップが決定するべきものなので、
トップがおかしなことをしたとしても、下は従うのが建前ではあるしね。
日本の大手の主流メディアは、決してこうしたことには触れたがりません。
いまなおそうです。彼らはあまりに保守的かつ自己中心的で、リスクをとりません。
トップを牽制するため、第4の権力であるメディアがちゃんと機能してくれば良いんだけど、
日本の大手の主流メディアは、役にたたんよなあ。
かつてミートホープという会社で、社内で行なわれている品質表示の偽装を、
当時の常務だった人物が暴露したことがありました。
事件からどれくらい経った後かは覚えていないんですが、
その元常務のインタヴューが夕刊紙に出ていて読んだのですが、
それはもうみじめな生活を送っているというんですね。同僚や友人はもとより、
親類、家族にまで見放されてしまい人生どん底だ、と。
同じことがあったら、もう一度告発しますか? と問われて、
彼は「絶対にやらない」と語っていました。
つまり、内部告発をして「身内」を裏切るというのは、
日本の社会ではとても罪深いこととされてしまうということのようなのです。
それは変わらなくてはいけないことです。社会のために。
ミートホープ事件ってのはかなり影響が大きかった事件なのよね。
Wikipedia - ミートホープ
まだ5年しか経ってないのか。
2007/6/20 事件発覚。
2007/7/18 自己破産申請、破産手続開始。
2008/3/19 裁判終了、実刑4年の判決
スピード解決だよ。
なんで東電ではこういうスピード感で進められなかったんだろ。
関係者にとって、リスクがありすぎたんだろうねえ。
内部告発を行ったあとの状況というのは、わたしのような立場にあった人間に
とってでさえ恐ろしいものでした。
妻は神経衰弱に陥り、医療機関や警察の保護が必要となり、脅迫もありました。
かつての同僚からも距離を置かれるなど、トラウマが残るような恐ろしい状況でした。
しかし、わたしには幸いなことに素晴らしい友人たちがいましたし、
日本と英国それぞれに頼りになる弁護士たちもいましたし、さらに金銭的な余裕もありました。
自分の身を法的に守るためには金銭的にも苦労が強いられます。
なんかねえ、日本という国の持つ病理を感じる。
強さになるときもあるんだろうけど、じめっ、としてて個人的には好きじゃない。
このへんにも書いたけど、(日本教と原子力問題 --> [2012-05-25-9])、
共同体の持つ価値は、日本では最上位に位置するんだと思う。
神や科学が最上位に位置する西洋的な価値観とは違ってるのよね。
この数十年の間、日本の国民は、イヤと言うほど企業の不正、
政府、官僚、自治体等の不正を見続けてきたせいで、
確かに不感症になっているのかもしれません。
あるいは諦めてしまったか。
単純に見えるようになった、ってだけじゃないのかなあ。
不正は昔からあったと思うんだわ。
でもせっかく見えるようになったらそれは活用したくなるよねえ。
もったいないもん。
どうでしょう? あなたは、いま日本が世界に提供できるのはなんだと思いますか?
──困ったことに、それが思い浮かばないんですよ。
わたしは日本のことは大好きです。人も食べ物も景色も素晴らしい。
けれどもビジネスの世界において、いずれ世界を席巻するような何かを、
この国に見出すことには、わたしも同じような困難を感じます。
人も食べ物も景色も素晴しい、なら、それを提供するのが良いんじゃないかのう。
観光を提供?
だとするとイベントはどんどんやったほうが良いのか?
カジノもあったほうが良いのか?
個人的には石原慎太郎は好きじゃないけど、政策としてはアリなのか?
関連)
日本教と原子力問題 --> [2012-05-25-9]
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